中学国語古文「十訓抄の対策問題」です。『十訓抄(じっきんしょう)』は、鎌倉時代に編まれた教訓を伝える説話集で、さまざまなエピソードを通して人生の知恵や道徳を学ぶことができます。中学国語のテストでは、登場人物の行動や教訓の内容、古文特有の表現の意味について問われることが多いです。
この記事では、「十訓抄」のテストによく出る問題を用意しました。しっかり対策をして、古文読解の力をつけましょう!
十訓抄の対策問題(中学国語古文)
次の古文を読んで、後の問いに答えなさい。
秦の恵王、濁の国を討たむとし給へるに、道絶えて、(討とうとなさったときに、途中でなくなり)人通ふ境にあらず。はかりごとをめぐらし、石の牛を作り、牛の尻に金を置きて、ひそかに境の辺りに送り遣はす。(国境近くの場所に運ばせた。)そののち、濁の国の人、この牛を見て、「石牛、天より下りて、金を下せり。」と思へり。すなはち五人の力人をして(力持ちに頼んで)、 山を掘り、牛を引くに険しき山、平らげる道になりぬ。(引いたので険しい山に平らな道ができた。)秦の相張儀を遣はして、石牛の跡を見て、 秦は大臣張儀を派遣して 石牛を引いた跡を見て、蜀の国を討ちとりてけり。 (十訓抄より)
(1)「思へり」を現代仮名遣いに直し、全て平仮名で書きなさい。
(2)「はかりことをめぐらし」とは、「策略を練って」という意味ですが、 次の文は恵王の策略についてまとめた一例です。A~Cに当てはまる言葉を、A・Cは五字以内、Bは五字以上十字以内の現代語で書きなさい。
<恵王の策略>
恵王は、蜀の国を( A )としたときに、人が通れるように、( B ) を作らなくてはならないので、国境近くに石で作った牛を置いて、天から下った石牛が( C )のだと思わせようとした。
恵王は、蜀の国を( A )としたときに、人が通れるように、( B ) を作らなくてはならないので、国境近くに石で作った牛を置いて、天から下った石牛が( C )のだと思わせようとした。
(3)この古文から得られる教訓の内容として適切なものを次から一つ選び、記号で答えなさい。
ア 友人を大切にしなければならない。
イ 思い上がった態度を取ってはならない。
ウ 物事をよく考えなければならない。
エ 人には親切にしなくてはならない。
十訓抄の対策問題(中学国語古文)の解答・解説
(1) おもえり
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すときは、助詞と語頭以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」を「わ・い・う・え・お」に直す。ここでは、「思へり」 の「へ」を「え」に直す。
(2)解答例
A討とう
B険しい山に平らな道
C金を与えた
「策略」とは、自分の目的を達成するために相手をおとしいれる計画のこと。 恵王がどのような目的のために、どのような手段で誰に何をさせたのかを、 文章全体から捉える。
3 ウ
現代語訳
秦の恵王は、蜀の国を討とうとなさったときに、(蜀への道は途中でなくなり、(国境の辺りは)人が通るような場所ではなかった。(恵王は)策略 を練って、石の牛を作って、牛の尻の辺りに金を置いて、ひそかに国境近く の場所に運ばせた。その後、蜀の国の人が、この牛を見て、「石の牛が天か ら下ってきて、金を与えたのだ。」と思った。すぐさま五人の力持ちに頼んで、山を掘り崩し、牛を引いたので、険しい山に平らな道ができた。秦は大臣張 儀を派遣して、石牛を引いた跡を見て(そこから攻め込み)、蜀の国を討ち滅ぼしてしまった。
秦の恵王は、蜀の国を討とうとなさったときに、(蜀への道は途中でなくなり、(国境の辺りは)人が通るような場所ではなかった。(恵王は)策略 を練って、石の牛を作って、牛の尻の辺りに金を置いて、ひそかに国境近く の場所に運ばせた。その後、蜀の国の人が、この牛を見て、「石の牛が天か ら下ってきて、金を与えたのだ。」と思った。すぐさま五人の力持ちに頼んで、山を掘り崩し、牛を引いたので、険しい山に平らな道ができた。秦は大臣張 儀を派遣して、石牛を引いた跡を見て(そこから攻め込み)、蜀の国を討ち滅ぼしてしまった。
十訓抄
鎌倉時代中期に成立した説話集。中国の説話を含む約二百八十話の教訓的な説話を十項目に分けて整理したもの。編者未詳。
鎌倉時代中期に成立した説話集。中国の説話を含む約二百八十話の教訓的な説話を十項目に分けて整理したもの。編者未詳。
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