高校入試対策社会「テストに出る地球の環境問題に知っておきたいこと」です。
地球環境の破壊
世界中の国々の工業化に伴い、二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの排出量が増加し続け、地球温暖化が進んだ。極地の氷の融解が進み、低地・島嶼国の水没、異常気象などが懸念されている。
1992年に締結。気候変動枠組み条約締約国会議(COP)を中心に温暖化防止の対策が検討された。
京都議定書
1997年、第3回気候変動締約国会議(COP3)で採択。2005年に発効。温室効果ガスの数値削減目標を決めた。排出枠が先進国に割り当てられ、それを超える排出量がある場合、相互に排出量取引ができる(京都メカニズム)。
2001年、アメリカは離脱。2005年、ロシアの批准で発効。温室効果ガス排出の削減義務をめぐっては、先進国と発展途上国間の対立があり、課題が多い。環境問題は「共通だが差異のある責任」として、取り組み方に差異を設けるべきだという意見もある。
オゾン層の破壊
冷蔵庫の冷媒や洗浄剤・スプレーに使用されていたプロンガスは、オゾン層を破壊する。オゾン層が破壊されると紫外線が地表に大量に降り注ぎ、皮膚ガンや白内障などを引き起こす。
- オゾン層保護のためのウィーン条約…1985年に採択。
- モントリオール議定書…1987年。フロンガスの使用を国際的に規制。多くの分野でフロンが廃止された。この議定書では、発展途上国のフロン使用は認めるなど、課題もある。
野生生物種の減少
乱獲・環境汚染、それにともなう生態系の破壊等により多くの生物が絶滅の危機に瀕している。
- ワシントン条約…1973年。野生動植物の国際取引などを規制した。しかし、密猟・違法取引は今なお続いている。
- ラムサール条約…1971年。湿地や水鳥, また水鳥を中心とする生態系の保護などを目的とする。日本では釧路湿原などが登録され、保全が図られている。
熱帯林の減少
伐採や焼畑農業をはじめとする大規模農地開発により熱帯林 が大幅に減少。砂漠化の原因ともなっている。熱帯林は大量の二酸化炭素を吸 収するため、その減少は地球温暖化の促進要因にもなっている。
水資源の減少
人口爆発や工業化により生活・農業・工業用水のための水資源の確保は世界的に難しさを増している。多くの国が水不足に陥っており、各国の水資源確保・開発の動きは活発になっている。食料輸入大国である日本の食料の安定供給と密接な関係をもつ問題である。
エルニーニョ現象
エルニーニョ現象の本来の意味は、ペルー沖から太平洋東部でクリスマスの頃、南東貿易風の活動が一時的におさえられ、平年よりも水温が高くなる現象をさす。東太平洋の赤道付近における水温の上昇が、赤道から中緯度付近の気候に大きな影響を及ぼすため、現在では、数年周期の大規模な水温の高温現象をエルニーニョ現象と称している。
ラニーニャ現象
東太平洋の赤道付近における平年よりも水温が低い現象をさす。南東貿易風が強まるため生じる。
熱帯低気圧
緯度5~15度 海水温が28°C以上の海域で発生する低気圧の総称。南アジアを襲うサイクロン、西インド諸島からメキシコ湾岸地方を襲うハリケーンなどがある。
環境問題への国際的取り組み
1972年、国連人間環境会議が、スウェーデンのストックホルムで開催。「かけがえのない地球」がスローガンとして掲げて、人間環境宣言を採択した。これを受けて、国連環境計画(UNEP)が設置された。
国連環境開発会議(地球サミット)
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された開発と環境保護の調和のための対策会議。
- リオ宣言…「持続可能な開発」を基本理念として採択された。また、環境保護の行動計画としてアジェンダ21が策定された。
- 気候変動枠組み条約…地球温暖化を防ぐ。
- 生物多様性条約…生物の多様性を生態系・種・遺伝子の3つで捉え、生物多様性の保全や持続可能な利用などを取り決めた。
環境・開発サミット
2002年、南アフリカのヨハネスブルクで開催され、ヨハネスブルク宣言を採択。「持続可能な開発」の具体的な実施計画も採択。
国際社会の取り組み
- 1992年、国連環境開発会議(地球サミット)をブラジルのリオデジャネイロー 開催。
- 1997年の地球温暖化防止京都会議では,先進国に温室効果ガスの 排出削減を義務づける京都議定書を採択。
- 2015年にはパリ協定を採択。 アメリカはその後離脱、途上国も参加
地球環境問題の解決に向けての「持続可能な社会」の考えが大切。
環境アセスメント
地域開発など大規模な工事による環境破壊を防ぐために、環境アセスメント(環境影響評価)法などが定められている。また、地球環境問題に対する国際協調や将来への環境保全に向けて、環境基本法を定め、環境行政を総合的に進めている。
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