中3理科履修単元の要点まとめです。定期テスト対策に、ご利用ください。
中3理科履修単元の要点まとめ
生殖
生殖とは、自分と同じ種類のなかまをふやすことです。例えば、ヒトが子どもを産んでヒトをふやすことなんかが生殖になります。生殖はその方法によって「有性生殖」と「無性生殖」に分けられます。
■有性生殖
有性生殖とは、オスとメスでなかまをふやすことです。有性生殖には「接合」と「受精」という方法があります。入試や定期テストでは、「受精」について、よく出題されます。
受精とは、オスとメスがつくる特別な細胞「生殖細胞(せいしょくさいぼう)」どうしの核が合体することです。有性生殖で増える場合、まず「減数分裂(げんすうぶんれつ)」という特別な細胞分裂を行って、普通のからだを作っている細胞「体細胞(たいさいぼう)」から生殖のための特別な細胞「生殖細胞」をつくりだします。このとき、核の中に含まれるひも状の染色体の数が半減します。
オスの「精巣(せいそう)」でつくられた生殖細胞である「精子(せいし)」と、メスの「卵巣(らんそう)」でつくられた生殖細胞である「卵(らん)」の核が合体します。合体した細胞は「受精卵(じゅせいらん)」という一つの細胞になります。この細胞がこの後細胞分裂を繰り返して、「胚(はい)」となり、子どものかたちを形作っていきます。このように生殖細胞どうしが合体してなかまをふやす方法を有性生殖といいます。
■無性生殖
無性生殖とは、オスとメス関係なく、自分だけでどんどんふえるふえ方です。無性生殖は何通りか方法がありますが、「分裂」「出芽」「栄養生殖」を学習します。無性生殖では、生殖細胞はつくらず、体細胞分裂でどんどんふえていきます。オスとメスが関係しないので、数をふやすに当たっては都合が良いふえ方です。
特別な細胞分裂「減数分裂」を行わないので、「生殖細胞」はつくられません。普通の細胞分裂である「体細胞分裂」で増えていきます。
無性生殖の中の「分裂」というふえ方は、体が真っ二つになってなかまをふやすふえ方です。主に単細胞生物が行っている生殖の方法です。
例:アメーバ、ゾウリムシ、ミカヅキモ、ケイソウ、ミドリムシなど
無性生殖の「出芽」というふえ方は、体の一部から新しい個体がつくられる生殖の方法です。ここは出芽を行っている2つの生物名を覚えておけば十分でしょう。
例:ヒドラ、コウボ菌
無性生殖の「栄養生殖」というふえ方は、植物の器官である葉、茎、根の栄養器官から新しい個体がつくられるふえ方です。ジャガイモを想像してもらったらわかりやすいと思いますジャガイモは種イモを植えて新しい個体を作りますが、このとき植えるイモは茎の一部です。
例:植物
遺伝と形質
生物の特徴となる形や性質を形質といい、親の形質が子や孫に表れることを遺伝といいます。形質は、細胞の核の中の染色体に存在する遺伝子によって、子に伝えらます。
■無性生殖の遺伝子
子は親の染色体をそのまま受け継ぐことで、親と同じ形質になる。全ての遺伝子が全く同じである生物の集団をクローンといいます。
■有性生殖の遺伝子
子は、両親の染色体を半分ずつ受けつぐため、親とは違う遺伝子の組み合わせをもつ子ができます。子には、両親のどちらかの形質が現れたり、両親のどちらとも異なる形質が現れたりします。有性生殖の利点は、いろいろな形質の子が生まれるので環境に適した子孫を残せることです。
■純系
何代自家受粉をを繰り返しても、子孫に常に同じ形質が現れる系統
遺伝の規則性
■対立形質
エンドウの種子の形の丸としわの形質のように、どちらかしか現れない対になってる形質どうし
■顕性の形質と潜性の形質
親の形質のうち、子に現れる形質を顕性の形質。子に現れない形質を潜性の形質といいます。
■分離の法則
減数分裂で生殖細胞(卵や精子など)ができるときに、対になっている遺伝子がそれぞれ別の生殖細胞に入ることです。
■DNA(デオキシリボ酢酸)
形質を伝えるものが遺伝子であり、遺伝子は染色体にあり、その本体は、染色体にふくまれるDNAという物質。DNAは不変でなく、わずかな確率で、変化して子に伝えられる形質を変えることがあります。
現在では、DNAや遺伝子を扱う技術は、DNAの操作による植物の品種改良、DNA鑑定、病気の治療などに応用されます。
メンデルの実験
エンドウの形質について、異なる特徴を持つ純系どうしを受粉させた時に、子や孫に現れる形質を調べた実験。
- 他家受粉…花粉が別の株の花めしべにつくこと
- 自家受粉…花粉が同じ花また同じ株の別の花のめしべにつくこと
■メンデルの実験の結果
- 子…すべての固体に両親の一方の形質だけ現れた。
- 孫…子の両親のそれぞれの形質が3対1の比で現れた。
■実験からのメンデルの考察
- 形質を伝えるもの(つまり、遺伝子)は、固体の中で2つの対になっている。
- 両親からその対の一方ずつが子に伝えられ、子の中で新しい対ができる。
エネルギー
ある物体Aがほかの物体Bに対して、物体Bを動かせるなど仕事ができる状態にあるとき、物体Aは、エネルギーを持っていることになります。エネルギーの単位には、仕事と同じジュールを用います。
■位置エネルギー
高いところにある物体がもっているエネルギーを位置エネルギーといいます。
位置エネルギーの特徴
- 物体の位置が高いほど大きい
- 物体の質量が大きいほど大きい
■運動エネルギー
運動している物体がもつエネルギーを運動エネルギーといいます。
運動エネルギーの特徴
- 物体の速さが大きいほど大きい
- 物体の質量が大きいほど大きい
■力学的エネルギー
力学的エネルギーとは、位置エネルギーと運動エネルギーと和のことです。力学的エネルギーの保存は、その力学的エネルギーが摩擦や空気の抵抗がない場合、一定に保たれることを力学的エネルギーの保存と言います。
位置エネルギー+運動エネルギー=一定
■斜面を下る運動
- 位置エネルギー=斜面を下るにつれてしだいに減少していきます。
- 運動エネルギー=斜面を下るにつれてしだいに増加し、速さはしだいに大きくなります。
⇒位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わっていくだけで、力学的エネルギーは一定に保たれています。
■ふり子の運動
- おもりの位置がもっとも高いとき、位置エネルギーは最大となり、逆に、速さ・運動エネルギーは0となっています。
- おもりの位置がもっとも高いとき、位置エネルギーは0となり、逆に、速さ・運動エネルギーは最大となっています。
⇒位置エネルギーが運動エネルギーにたがい移り変わっていくだけで、力学的エネルギーは一定に保たれています。
熱エネルギー
熱には次の3つの伝わり方があります。
- 伝導(熱伝導)…熱が温度の高いほうから低いほうへ移動する現象。金属のように熱伝導率が高いものと、空気のように熱伝導率が低いものがあります。例:ガスレンジから熱がフライパンに伝わり、食材に熱が伝わって焼けていく。ホットカーペットなど
- 対流…物体が循環して熱が伝わる現象。加熱された水は膨張して密度が小さくなって上部へ移動し、上部の冷たい水と入れかわります。例:エアコンなどの暖冷房
- 放射(熱放射)…高温の物体から出ている赤外線によって、熱が運ばれる現象。熱したアイロンから離れたところにある物体が温まる現象です。例:遠赤外線など太陽か地球に伝わる熱
■エネルギーの保存
エネルギーの保存は、エネルギーはたがいに移り変わっても、エネルギーの総和は変化しません。ジェットコースターの運動では、摩擦力や空気の抵抗などのため、力学的エネルギーの一部が熱や音などのエネルギーに変わり力学的エネルギーは保存されません。しかし。この場合でも、熱や音などのすべてのエネルギーへの移り変わりを考えると、エネルギーの総和は一定です。
- エネルギーの利用…変換するときに生じる不要なエネルギーをできるさけ少なくすることが重要です。
■エネルギーの効率
エネルギーの効率は、消費したエネルギーに対して、利用できるエネルギーの割合。電球形蛍光灯や電球形発光ダイオードは、消費した電気エネルギーが光エネルギーに変わる割合が白熱電球より大きいもので、白熱電球よりもエネルギー効率がいいです。
電気分解
- 電解質…水溶液に電流が流れる物質。(例)塩化ナトリウム、塩化水素、水酸化ナトリウム
- 非電解質…水溶液が電流を流さない部室。(例)エタノール、ブドウ糖、ショ糖
■塩酸の電気分解
塩酸は(溶質は塩化水素)に電圧をかけると、陰極から水素、陽極から塩素が発生
- 塩化水素→水素+塩素
- 2HCl→H2+Cl2
■塩化銅水溶液の電気分解
塩化銅水溶液に電圧をかけると。陰極に銅が付着し、陽極から塩素が発生します。
- 塩化銅→銅+塩素
- CuCl2→Cu+Cl2
塩化銅水溶液と塩酸の電気分解の結果
塩化銅水溶液 | 塩酸 | |
化学変化 | 塩化銅→銅+塩素 | 塩化水素→水素+塩素 |
化学反応式 | CuCl2→Cu+Cl2 | 2HCl→H2+Cl2 |
陽極での変化 | 塩素が発生する | 塩素が発生する |
陰極での変化 | 銅が付着する | 水素が発生する |
■水溶液を流れる電流の正体
- イオン…電気を帯びた粒子のこと。
- 陽イオン…+の電気をおびた粒子。
- 陰イオン…-の電気をおびた粒子。
■電離
電解質が水に溶け、陽イオンと陰イオンに分かれること。
- (例)塩化ナトリウムの電離 塩化ナトリウム→ナトリウムイオン+塩化物イオン
反応熱
反応熱は、化学変化の際に生じる熱の出入りの反応
■発熱反応
化学変化の際に生じる熱の出入りで、周りの温度が上がる反応
(例)鉄と酸素の酸化
(活性炭素や食塩は、酸化をしやすくするために用いられます。)⇒鉄と活性炭素(食塩)を一緒にいれ、かき混ぜると反応がおきます。温度が上昇し始めます。かき混ぜるのを終えると温度は下がりはじめますが、再びかき混ぜると温度は再び上がります。これは、まだ反応していない鉄が残っているためですが、鉄がすべて反応すると上昇はしません。
(例)中和
中和が起こるとまわりに熱を出して温度が上がります。
■吸熱反応
化学変化の際に生じる熱の出入りで、周りの温度が下がる反応(例)アンモニアの発生させる実験(塩化アンモニウムと水酸化…を加えることの実験)
太陽
太陽の表面のようすですが、高温の気体からできていて、光や熱を放射しています。直径は約240万キロメートルで地球の約109倍です。また、黒点があり、表面にある黒いシミのようなもので、周りより温度が低いため黒く見えます。
■黒点と太陽の活動
黒点が多い時ほど、太陽の活動が活発で、地球では電波障害がおこったり、オーロラの活動が活発になったりします。一方で、黒点が少ない時ほど太陽の活動が弱く地球の寒冷化につながると考えられています。
■黒点の観察
太陽の表面にはどのような特徴があるか調べる観察では、太陽投影板を取り付けた天体望遠鏡を使って太陽の像を記録紙に記録していきます。黒点が見えたらその位置と形を記録し、時間とともに太陽ははどのように動いたか確かめます。太陽は、地球の自転により西の方向へずれていきます。
- 黒点が記録紙上を東から西へ移動をした。
⇒太陽は自転しているため - 黒点の形が周辺部では楕円形、中央部では円形に見えた。
⇒太陽が球形であることがわかる。
■太陽の日周運動
太陽は、朝、東からのぼり、しだいに高くなり、昼頃に南中します。その後、太陽はしだいに低くなり、夕方西に沈んでいきます。また、太陽の動く速さは一定です。
朝、東からのぼった太陽が昼ごろ南の空でもっとも高くなることを太陽の南中といいます。
南中しているときの太陽の高度。地平線からなんちゅうした太陽までの角度で示します。
■太陽の観察・観測
太陽を観測するとき、太陽が大きな丸い天井を移動していくように見えます。この丸い天井が地平線の下にも続いていると考えたときの想像上の大きな球面を天球といいます。観測者の真上を天頂といいます。
月
月は、太陽の光があたったところだけが輝きます。このことにより、月の満ち欠けから、月が球形で、地球のまわりを地球の北極側から見て、反時計回りに回っている月の公転がわかります。また、新月から次の新月までは約29.5日かかります。
月の日周運動、これは地球の自転による見かけの運動ですが、月は東からのぼり西の空に沈みます。
- 地球から月までの距離は、地球から太陽までの距離の約400分の1です。
- 月の直径は、太陽の直径の約400分の1です。
以上のことから、月と太陽は同じ大きさに見えます。
■日食
日食は、太陽が月に隠れ、太陽の全部(皆既日食)、一部が欠ける(部分日食)ことです。地球・月・太陽のと並んだ時におきます。
■月食
満月が地球の影に入り、月の全部または一部がかけることが月食です。月・地球・太陽と並んだときにおきます。
金星
金星は、惑星の中でも地球より内側にあるので、内惑星(ほかに水星)です。
➋内惑星であるため、明け方の東の空か、夕方の西の空にしか見えず、夜中にはみることができません。
➌金星を真夜中に見ることができない理由を簡潔に述べよ。⇒金星が地球より内側を公転しているため。
➍地球からの距離によって見かけの大きさが変わります。
➎太陽の光を反射して輝いているので、大きく満ち欠けをします。
■金星が見えないとき
➊真夜中のとき(金星が地球より内側を公転しているため見えません。)
➌太陽と同じ方向にあるとき(月の新月と同じように、太陽の方向のときは影になって見えません。)
銀河系
太陽系をふくむ、多数の恒星(約1000億側)や天体からなる大集団です。星座をつくる近くの恒星に対して、遠くの恒星は天の川として見えています。
- 星座をつくる星…自ら輝く恒星であり、それぞれ距離の異なる恒星の集まりです。
- 星団…恒星の集団。(例)すばる星団
- 星雲…ガスのかたまり。(例)オリオン大星雲
- 銀河…銀河系と同じような天体の大集団(例)アンドロメダ銀河
天体(恒星)の明るさの表し方。数値が小さいほど明るく、1等星は6等星の100倍であります。明るい天体はマイナスをつけて表します。地球から見た明るさは恒星までの距離が変わるため、-26.8等星の太陽が地球から約33光年の距離にあるとすると、約5等星という暗い恒星になります。
■膨張宇宙
ゴム風船の表面に油性ペンで、いくつかの銀河の絵を描いて、その風船をふくらましてみます。
ふくらむにしたがい風船の表面が広くなると、初めに描いたいくつかの銀河は、どれもお互いに離れていく。宇宙空間も、一様にふくらんでいるならば、どの銀河を中心に考えてもそのまわりの銀河は、遠いものほど高速で度遠ざかるように見える。
膨張している宇宙は、➊永遠に膨張し続ける開いた宇宙、または、➋いつ物質の引力により膨張がとまり、逆に収縮し始める閉じた宇宙のいずれかと考えられている。そのどちらになるかは、宇宙にある物質の量によって決まってくる。
ハッブルの法則
1929年、ハップル(アメリカの天文学者)はさまざまな観測結果をもとにして、「遠い銀河ほど高速度で遠ざかっている」ことを発見した。その関係が、ハッブルの法則です。
326万光年(1メガパーセク)離れる ごとに、50~100km/sの割合で遠ざかる速度がはやくなっていく。銀河までの距離(r)、後退速度(v) とすると、v=H×rと表せる。このHの値をハッブル定数という。
■ハッブル宇宙望遠鏡
地表から、高度約600kmの軌道を約97分(時速約3万km)で地球を1周する。口径2.4mの反射望遠鏡をもち、大気の影響を受けないため、鮮明な画像を得ることができる。1990年にスペースシャトルで打ち上げられた。
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